ユトレヒト

運河を眺めながらゆっくり散歩

ユトレヒトは昔ながらの町並みが多く残っていて、運河沿いのカフェが有名だ。
駅ビルは大きなショッピングセンターのようになっているのに、一歩外に出れば古い町並みになる。
町の中心をめざして5分くらいで、シンボルの教会が見えて来る。そして運河を横切る橋を渡ると、運河沿いの散歩の始まりだ。

  
左を見れば雰囲気のあるアンティークショプやかわいいお菓子屋さん、ユニークなアクセサリーの店やギャラリー…。なかなか前に進めない。
右を見ればゆっくりと流れる運河。おとぎ話のような家々が並んでいてかわいらしい。階段を下りて運河の近くまで行くと、水面より少し高いその位置にオフィスやカフェがある。
せっかくなので運河が見えるオシャレなカフェに入ったてみた。スコーンを注文すると、たっぷりとバターとジャムをつけてくれて、とびきり美味しかった。

なぜ運河沿いに歩いていくかというと、その先にはミッフィー美術館とユトレヒト美術館があるからだ。

ミッフィーオランダ語ではないらしい。オランダ人の友達にMiffyと言っても通じなかった。正しくは「ナインチ」。
そして、日本人には人気だけれどオランダ人にはそうでもないみたいだ。途中迷ってしまって地元の人に聞いても誰も知らなかった。

ディックブルーナハウスとセントラルミュージアム美術館は向かい合うように建っている。

セントラルミュージアム美術館は、こんなに伝統的な町にあるにもかかわらずとても洗練されていた。まず、ロッカーに荷物を預けにいくと、ロッカールームまで作品の一つのようになっている。今回は、ファッションデザイナーの企画展が行われていた。作品の背景にオランダの伝統的な調度品や絵画が置かれていて、面白い展示方法だと思った。

常設展の方は教会をリノベーションした空間に絵画や彫刻が展示してあるので、作品だけでなく建築の細部まで見ることができて興味深かった。
最上階はインフォメーションセンターがあり、美術やデザインの本があったり、展覧会やユトレヒトの情報が調べられるようになっている。
カフェはDroogデザインのメンバーのリチャード・ハッテンによるデザイン。スタイリッシュでありながら、教会の木の色とよくマッチしていた。
ユトレヒトは、バイキングの船を作っていた時代もあったようで、古い船も展示されていた。




つづいてディックブルーナハウスへ。
そんなに大きくはないが、子ども向けのプレイスペースがあり、2階が展示になっている。
ミッフィーを描き方の過程が分かりやすく展示してあったり、ポスターやブックデザインなどディックブルーナの他の仕事も見られる。あのミッフィーのラインは一気に描かれているのかと思ったが、鉛筆で何度も下書きした跡も見ることができた。
やはり日本人が多いのか、オランダ語、英語に加え日本語での解説が掲示してあった。



帰りものんびりと駅まで歩いて行ったが、急に雨が降ってきて大きな木の下で雨宿りした。朝からいい天気だったので傘も持っていなかったが、何とか町の中心に近づけた。するとそこでまた今度は雷雨になった。やさしい本屋の主人がここで少し待てばすぐに上がるよと言ってくれたので、雨宿りさせてもらったが、もの凄く近くで雷が落ちて怖かった。でも言われた通りしばらくしたら、何事もなかったかのように晴れ上がった。
東京でもオランダでも夏の豪雨にはご注意。